「貯蓄から資産運用へ」というスローガンが掲げられてからずいぶん経ちますが、私たち日本人にとってまだまだ「投資」は敷居が高いものに思えますね。
4年前まで私自身もそうでした。
今回の記事では、資産運用に関する知識が完全にゼロだった私がどのようにお金を動かして利益を出せたのかについて書きたいと思います。
資産運用の知識ゼロだった主婦が利益を出すまで
まず前提として、私が投資をスタートさせた時期と今とでは株価がちがいます。
そのため今から同じ手法で投資をしても同じ利益が出るわけではありません。
ただ私自身、今後また暴落することがあればこの4年間で利益を出した方法とほぼ同じやり方で投資をするつもりでいます。
今回の記事が資産運用を始めようと思っている人、またすでに運用を始めている人にとって少しでも参考になればうれしいです。
- 資産運用に関する本を読みまくる
- さらにYouTubeで勉強する(ここまででざっと500時間)
- 夫婦2人分の楽天証券口座&楽天銀行口座を開設
- 郵貯の口座から楽天銀行にお金を移動させる(郵貯の窓口で詐欺に引っかかっているのでは、と疑われて質問される)
- 楽天銀行から楽天証券口座に資金を移動させる
- コロナショックで株価大暴落
- しばらく様子見
- 株価が少し上がってきた4月から運用スタート
- 積立てNISAの設定
- 積立てNISA&毎月積立てをスタート
- どの米国株ETFを購入するか検討
- 米国株ETFを数回に分けて購入&放置
- 子どもたち4人分の楽天証券口座&楽天銀行口座を開設
- 子どもたち4人分の貯金をジュニアNISA口座に移して運用(2020年~2023年)
我が家の資産運用方法
私自身ずっと長い間資産運用をしているような気がしますが、コロナショックから株価が少し回復した2020年4月から投資を始めたので、まだ4年くらいですね。
我が家の資産運用:まだまだ初心者
超初心者ではないですが、初心者~中級者の一歩手前くらいの位置にいるイメージですね。
基本的に全世界株式や全米株式、また1本でまとめて数十社~数百社に投資できるような投資信託やETFに投資しています。
個別株は米国株のエイリス・キャピタル(ARCC)1社のみで、今後新たに個別株を購入するつもりはありません。
我が家の資産運用:テクニカル分析はなし
本来ならテクニカル分析などについても学ぶべきかもしれませんが、個別株は1社のみなので大まかな経済動向がわかればOKと気楽に考えています。
ファンダメンタルズ分析などのテクニカル分析は一切せず、証券口座も週に1~2回見る程度。
投資家として投資活動をしているというより、あくまでも「家計管理」の一環として資産運用をしているだけなのであまりのめり込むことなく、自分にとって心地いい距離感を保つようにしています。
我が家の資産運用:夫婦名義の運用状況
- NISAつみたて投資枠→eMAXIS Slim米国株式(S&P500) ・ナスダック100
- NISA成長投資枠→国内リート・ゴールドファンド
- 特定口座インデックスファンド→全世界株式・S&P500・先進国リート
- 特定口座米国ETF→QYLD・VYM・HDV・SPYD・RWR・VHF・GDX・VUG
※2024年7月現在
我が家の資産運用:積立てNISAを利用する
NISA:つみたて投資枠 | NISA:成長投資枠 | |
投資手法 | 積立て | スポット購入・積立て |
年間の投資上限額 | 120万円 | 240万円 |
非課税になる期間 | 永久 | 永久 |
対象となる金融商品 | 国が定めた基準を満たした投資信託 | 投資信託・国内株式・外国株式 |
非課税となる対象 | 対象商品の売却益・配当金・分配金 | 対象商品の売却益・配当金・分配金 |
金融機関変更の可否 | 各年ごとに変更可能 | 各年ごとに変更可能 |
売却の可否 | 売却した分の枠が翌年空く | 売却した分の枠が翌年空く |
積立てNISA:毎日積立てにしている理由
引用元:マネックス証券
我が家の資産運用:子どもたちの証券口座
子どもたちの資産運用は、本来なら年齢などで変化をつけた方がいいのかもしれませんがあれこれ考えるのがめんどうなので4人とも完全に同じように運用しています。
子どもたちの保有資産
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- 楽天全米インデックスファンド
- eMAXIS Slim先進国リート
- eMAXIS Slim先進国リート
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
引用元:楽天証券
2024年7月9日時点でひとりあたり合計240万円ほどの含み益になっています。
これは円安効果も大きいですね。
ちなみに新NISA口座は18歳になった年の翌年1月に開設されるため我が家の子どもたちはまだ新NISAで運用していません。
来年から長男(早生まれの大学1年生)の新NISA口座が開設されます。
つみたて投資枠だけでも新たな資金で運用できればいいのですが、さすがに360万円の枠マックスは無理なのでジュニアNISAで運用している投資信託を売却して新NISA口座で新たに買い付ける形が現実的でしょうか。
我が家の資産運用:含み益が出ている理由
現在含み益が出ているのは、半分は「頑張って資産運用に関して勉強したから」で半分は「たまたま相場のいいときに参入できたから」だと思っています。
あと外国株の投資信託に関しては円安効果が大きいですね。
「相場がいいときに参入した」ことは確かですが、それでも「いつ何に投資をするか」を判断するのはなかなかむずかしいと感じました。
いくら本やYouTubeで勉強していても「経験ゼロ」からのスタートだったため、「不安」や「恐怖心」と向き合いながら恐る恐る資金を移動させていった感じです。
ネット証券口座ではクリックするだけでかんたんに株式を買えますが、そのワンクリックにはかなりの勇気が必要なのです。
我が家の資産運用:リスクとリターンについて
投資信託やETFは個別株に比べると値動きは激しくないですが、それでも「不動産系」「金融系」といった景気敏感株のセクターが多くなっているため、積立て投資で購入している金融商品以外は全体的にややリスクが高めのポートフォリオになっています。
「含み益は幻」という言葉があるように、明日利益がゼロになるかもしれないし明後日には1000万円かそれ以上の含み損を抱える可能性もあります。
「1000万円損する可能性があるリスク」をとったからこそ1000万円の含み益が出ているわけで、リターンだけを求めるようないいとこ取りはできないのですね。
リスクとリターンは必ず背中合わせなので、常に頭の中では含み益と同じだけの含み損が出た場合をシミュレーションしています。
「必ず暴落はやってくる」と想定して投資をすることも感情コントロールの秘訣ですね。
価格が下がったら焦って売るのではなく、「買い場が来た!」と思ってさらに買い増ししたいと思えるものにだけ資金を投じるようにしましょう。長きにわたって成長や発展を信じられる資産だけを買うようにすれば、目先のアップダウンに惑わされずに資産運用ができますよ。
株式投資以外の資産運用について
今のところは株式投資しかしていませんし、ほぼ米国株なのでリスク分散ができていないとも考えられますね。
ただ時間をかけて勉強をした上で今回の記事でご紹介したような投資手法をとっているため、不安はまったくありません。
「年齢的に債券を組み入れた方がいいのでは?」と思われそうですが、平均寿命が延びている今の時代、株式の割合を減らして債券を購入するのはもう少し先でもいいかなあと考えています。
株式投資以外の資産運用:不動産投資を検討した結果
私はマンションギャラリーや住宅展示場で働くくらい、不動産が大好きです。
当然資産運用をするにあたって、不動産投資についても本を何冊も買って勉強しました。
賃料収入といえば不労所得の代表ですよね。
当然ですが、不動産投資関係の本の著者はみなさん不動産投資で成功している人ばかり。
不動産投資関連の本を読めば読むほどその魅力に惹かれていきましたが、何度も冷静に考えた結果不動産投資は選択肢から外しました。
- そもそも不動産投資をするには余剰金が足りない。(ローンを組みたくないため現金が必要)
- 自然災害リスクがある。
- 事故物件リスクがある。
- 空き室リスクがある。
- すぐに現金化できない。
- 本当に掘り出し物の物件情報は一般人の元にやってこない。
不動産投資のメリット
我が家は不動産投資に手を出すことはしない(できない)という結論に至りましたが、不動産投資にももちろんメリットがあります。
- 株価ほど価格の変動が激しくない。
- ローンを組むことで大きくレバレッジをかけられる。
不動産価格は株式とちがい、一晩でマイナス30%になるようなことはありません。
もちろん、長い目で見て少しずつ価格が下がったり逆に値上がりしたりということはあるでしょう。
ただ少なくても株価大暴落時のように、今日明日でいきなり断崖絶壁みたいな下がり方はしないため資産価格としては安定していますね。
結局米国のREIT(リート・不動産投資信託)や先進国リートなどを買って、現物不動産ではなく間接的に不動産に投資をする形を選びました。
1万円から不動産投資を試してみたい人
不動産投資に興味はあるけど数百万円~数千万円もするような現物不動産に投資をする勇気がない人は、FUNDROP(ファンドロップ)のように1万円から不動産に投資できる「不動産クラウドファンディング」がおすすめですよ。
不動産を小口化することで、1口1万円からの投資が可能です。
FUNDROP(ファンドロップ)は景気に左右されにくい住居用賃貸住宅の運用を中心としているため、想定利回りが平均年6%と安定した収益の確保を目指しています。
さらにオンライン本人認証を導入していて、最短5分で登録が完了。
現物の不動産投資は多額の自己資金やリスク管理能力が求められますが、小口から気軽に不動案投資を試せるのは魅力的ですね。
仮想通貨やFX、先物取引など
ハイリスク・ハイリターンな資産運用については興味がありません。
特にFXや先物取引などは「成長を応援するための投資」というより、目先の価格を追い求める「投機」にあたりますよね。
私は投資を通じて「お金を育てていく感覚」を楽しんでいます。
ジェットコースターみたいに激しく価格が変動するものは感情も激しく揺さぶられる上に「育てる過程」を味わえないため、自分には向いていないと思っています。
唯一保有している個別株について
私が唯一保有しているエイリス・キャピタル(ARCC)という会社についてご紹介します。
エイリス・キャピタル(ARCC)とは
かんたんに説明すると、ベンチャー企業に投資をしているアメリカの会社です。
エイリス・キャピタルの株を持つことで、自分もアメリカのベンチャー企業に投資をしていることになりますね。
アップルやアマゾンも最初はベンチャー企業としてスタートしました。
そしてベンチャー企業を対象とした投資会社から援助を受けながら事業を拡大し、現在の姿があるわけですね。
エイリス・キャピタル(ARCC)の株の特徴
エイリス・キャピタルは別名「禁断の高配当株」といわれるくらい、その利回りの良さが特徴です。
今のような株高の時でも8%以上の利回りなのでかなりの高配当。
利益の9割以上を株主に還元することを条件に法人税の免除を受けているため利回りが高くなっているのですね。
エイリス・キャピタル(ARCC)に投資をしている理由
ほぼ個別株には興味のない私が、唯一エイリス・キャピタル(ARCC)の株を保有しているのには理由があります。
ARCCに投資をしている理由1:夢があるから
間接的にでも「未来のアップルやアマゾンに投資しているかもしれない」と思うとなんだかワクワクしてきませんか。
私が出している金額なんてわずかですが、それでも自分の資金が向かった先にある会社が将来世界を牽引するような大きなイノベーションを生み出すかもしれないなんて、夢があるなあと思えるのです。
ARCCに投資をしている理由2:失敗が許される文化があるから
アメリカで次々とイノベーションが生み出されるのは、やはり「何度でもチャンスが与えられる」風土が原因でしょうね。
例えば自己破産をするというと、ここ日本ではなんとなく「終了感」が漂いますがアメリカでは逆なのですね。
「債務関係をスッキリさせて新たなスタートを切る」という前向きな意味があります。
一生涯で何度も自己破産する人までいるとか。
法律事務所で働いていた頃、意気揚々と自己破産する人なんてひとりも見たことがありませんでした。
まさにカルチャーのちがいですね。
ARCCに投資をしている理由3:魅力的な高配当株
他に個別株を持たない私にとって、やはりARCCから受けとる配当金はとても有難い存在です。
米国高配当ETFからも配当金は入ってきますが、ETFは数十社〜数百社の株式をまとめて買うことになるためどうしてもARCCに比べると利回りが低くなります。
配当金は応援した会社から「ありがとう」と言ってもらえた気がしてうれしいですよね。
エイリス・キャピタル(ARCC)は金融株なので、景気敏感株です。
市場全体が暴落するとき、景気敏感株は特に大暴落します。
私自身は暴落時に買い増ししたいと思っているため保有していますが、暴落を心待ちにするくらいの気持ちがない限り保有することをおすすめできません。
これから投資したい先
今後は日本のベンチャー企業にも投資したいと思っています。
残念ながら日本にはアメリカのように「何度失敗しても許される」文化はありません。
日本でなかなかイノベーションが生み出されないのも当然ですね。
でも最近は日本の若い人たちも起業する人が増えています。
本業の合間に副業としていろんなビジネスに挑戦する人もいますよね。
そんな一生懸命頑張っている若い人たちを応援したいな、と思うのです。
ビジネスなんて上手くいかないのが当たり前なので、投資をしても金銭的な見返りは得られないかもしれません。
ベンチャー企業に投資をすることは「投機」とはちがった意味でハイリスクですが、それ以上に夢と希望がありますよね。
ベンチャー企業に投資をする :クラウドファンディング
最近はスタートアップ企業に投資できる株式投資型クラウドファンディングが注目を集めています。
今までは機関投資家や富裕層など限られた人しかスタートアップ企業に投資をする機会がなく、資金も最低数百万円必要でした。
その点株式投資型クラウドファンディングなら、ネットで最低10万円程度から投資可能。
少額の元手資金でも最先端ベンチャー企業の株主になれますよ。
中でも国内シェアNO.1の【FUNDINNO】株式投資型クラウドファンディングならスマホでかんたんにベンチャー投資ができます。
ベンチャー企業に投資をする :まずは余剰金を貯める
やはりどんなときでも大事なのは余剰金を貯めることですね。
特に銀行から融資を受けられないようなベンチャー企業に投資をするには、金銭的にも精神的にも余裕がないとむずかしいです。
日本の将来を担っていく人たちを応援するためにも、節約と家計管理に励んで余剰金を貯めたいと思っています。
と、少し大きなことを言いましたが実際に大金を投じるのは厳しいため、出来る範囲で少しずつ実践できればと考えています。
まとめ
今回は我が家の資産運用方法と今後の方針についてご紹介しました。
私は頻繁に売買をくり返すような投資手法をとっていないため「面白みがない」と思われるかもしれませんね。
ただ感情をコントロールすることに感情を使いたくない私にとってはちょうどいい方法だと思っています。