
最近「お金に働いてもらう」という言葉を聞くことが多くなりましたよね。
お金を働かせるとは、私たちが働かなくても「お金を動かすことでさらなるお金を生み出してもらう」状態を作り上げることです。
とはいえお金が自分の意思を持って勝手に動くわけではありませんね。
当然ですが、お金をどのように動かすかは私たちの判断にかかっています。
そして私たち人間は感情で動く生き物なので、いかに感情をコントロールできるかが資産運用の結果を左右します。


お金に働いてもらうことの意味とは
「お金は労働の対価として手に入るもの」と考えている人が大半だと思いますが、自分が働いてお金を得ると同時にお金にも働いてお金を生み出してもらえたら、より豊かになれると思いませんか。
お金に働いてもらうとは:貯蓄と投資のちがい

引用元:金融庁
- お金を蓄えること。
- 銀行の普通預金や定期預金に預けるのが一般的。
- 元本割れしない。
- インフレ(物価が値上がりすること)時には現金の価値が目減りするため、インフレ対策ができない。
- 有望だと思える資産(お金を生み出してくれる不動産や株式・債券)に資金を投じること。
- 元本は保証されない。
- リスクがある分、貯蓄よりリターンを得られる可能性がある。
- インフレ(物価が値上がりすること)時には不動産や株式の価格も上昇するためインフレ対策ができる。


お金に働いてもらうとは:資産運用の種類

ひとくちに「資産運用」といっても資金を投じる先はさまざまです。
リスク度合いに分けて資産運用の種類についてみていきましょう。
- 預金
- 債券
- 外貨預金
- 不動産投資
- 投資信託
- ETF
- 株式投資
- REIT(不動産投資信託)
- 外貨建てMMF


資産運用において感情をコントロールすることが大切な理由
あたりまえのことですが、不動産や株式などの資産の価格を私たちが決めることはできません。
自分がその明るい未来を信じられるものに資金を投じるのが投資の基本ですが、どれだけ自分が信じているものでも価格が下落したり暴落したりといったことは当然起こり得ることですね。
どんなものに投資をしても資産価格のコントロールはできないため、結局自分でコントロールできるのは「感情」のみということになります。


感情コントロールが大切な理由1:資産価格の変動は読めない

資産の価格がどのように変動するかは誰にもわかりません。
まさに名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」で示されているとおり、酔っ払いの千鳥足のごとくフラフラとどこに向かっていくかわからないわけですね。
資産価格の変動が読めない状態で感情まで不安定になってしまっては「何もかも不安定」な状況で資産を運用することになります。
資産運用に関する自分の軸をしっかり確立させておかない限り、先が読めないものと向き合い続けることはむずかしいでしょう。

感情コントロールが大切な理由2:長期運用が大切
「長期・分散・積立て」が資産運用で成功する秘訣であるとよくいわれています。
感情的になって狼狽売りをして損が確定してしまったり、「このまま価格が上がり続けるはずだ」と欲を出して有り金をつぎ込んで損をしてしまったりということがあると、資産運用を続けていく気力がなくなってしまいますよね。
「投資は怖い。二度としない」と資産運用から撤退してしまっては、お金に働いてもらってお金を増やすことができなくなります。
感情に振り回された結果「お金を増やせる機会」を失ってしまうのはとてももったいないことですね。

感情コントロールが大切な理由3:人間の「感情」によって経済は動く

株価などの資産の価格は現在の経済状況だけでなく、投資家たちの「未来への不安」や「将来への希望」といった感情で大きく揺れ動きます。
そして自分が感情的になっているとき、他の投資家たちの心の動きを冷静に見極めるのがむずかしくなります。
「株式相場は短期的に沸き立っているだけだから自分は投資しないでおこう。」
「みんな過度に悲観的になっていて過小評価されているけど、経済状況が戻れば必ず価格が戻る分野の株だから今のうちに購入しておこう。」
などと自分が冷静になることで物事の本質を見極めやすくなり、周りに惑わされずに資産運用を続けることができます。

資産運用をするにあたって感情をコントロールするコツ
資産運用を長期で継続させ、負けない投資をするには感情のコントロールが大切なことはわかりました。
ではどのようにすれば自分の感情を上手にコントロールできるのでしょうか。
感情コントロールのコツ1:お金や資産運用の知識を身につける

お金や資産運用に関する知識を学ばずにいきなり投資を始めるのは、準備運動をせずに大海原に飛び込むようなものです。
これでは上手くいくはずがないですね。
遠回りのように思えても、まずはしっかり資産運用の原理原則について本を読んで勉強しましょう。
知識を身につけることで目先の資産価格の動きに一喜一憂しなくなります。


感情コントロールのコツ2:資産価格が動くという感覚に慣れる

今まで預貯金のみでお金を貯めてきた人にとって「自分が保有している資産の価格が上下する」感覚に慣れるのに時間がかかります。
銀行の預金通帳を見ている限り、1日で数万円~数十万円も残高が変化することなどあり得ないですよね。
一方で投資は一晩で資産額がアップダウンするのが当たり前の世界です。
この値動きに慣れていないと「このままずっと下がり続けるかもしれない」という恐怖心から狼狽売りをして損が確定してしまうことがあります。
まずは少額からお金を動かして、資産額が上下する感覚に慣れるようにしましょう。

感情コントロールのコツ3:ラクにお金を稼ぐ道はないと心得る

「お金に働いてもらう」と聞くと「自分が労働することなくお金がお金を運んできてくれる」といったイメージを持つ人も多いかもしれませんが、世の中そんなにラクにお金が入ってくることはありません。
資金を投じる先や資金を投じるタイミングがよければ思いの外利益が出ることもありますね。
ただ「いつどこに資金を投じるか」を判断するためには、相当な時間を資産運用の勉強に充てなければいけません。
個別株を短期売買するような、いわゆるトレーダーのような投資手法をとっていない私でも証券口座を開設するまでに通算500時間以上は勉強したと思います。
そして実際に資産運用を始めてからも勉強の日々は続きます。
ほぼ「ほったらかし投資」でも、本を読んだり情報収集をしたりといった学びは必要。
むしろ「ほったらかし投資」が正解であるという結論に達するためにかなりの時間を勉強に費やしたようなものです。
「ラクにお金を稼ぐ道などない」は「世の中そんなにうまい話はない」と言い換えることもできますね。
資産運用で上手にお金を増やすために「勉強・経験・試行錯誤」が必要だと心得ていれば、利益への欲を抑えやすくなります。

感情コントロールのコツ4:貯蓄を頑張る

貯蓄があることは心の安定につながります。
資産運用でお金を動かす前に、まずは節約や家計管理を頑張って充分な余剰金を貯めておくことをおすすめします。
なくなってもいいお金など存在しませんが、まずは失っても問題なく生きていけるくらいの少額投資から始めて経験を積みましょう。
充分な貯蓄がある状態は、資産運用をする上で冷静さを保つことにつながります。
あくまでも資産形成の基本は「収入を得て節約しながら貯蓄を頑張る」ことです。
「お金に働いてもらって得られたお金」はオマケ程度に考えておくと、ほどよい距離感を保ちながら楽しく資産運用ができますよ。

感情コントロールのコツ5:失敗しても大丈夫

大事なお金を失う局面に立つと、人は「命を失う」のと同じくらいの恐怖心を抱きます。
生命が脅かされるレベルの恐怖心を感じると、冷静でいられないのは当然ですね。
まず資産運用では「なけなしのお金をつぎ込まない」ことが大前提ですが、ここ日本に生きている限りは多少お金を失っても命までとられることはありません。
ライフラインが整っていて、住む場所があって食べる物もかんたんに手に入ります。
恵まれている環境で資産運用ができること自体、とても幸せなことだと思います。
そして「含み益は幻」といわれるように、「含み損も確定しなければ幻」くらいに気楽に考えましょう。
もし損切りをして損が確定してしまったなら、次は「損切りする必要のないもの」に資金を投じることを考えてみてはどうでしょうか。
投資の神様といわれているウォーレン・バフェット氏が「10年間株を保有する気がなければ、10分間保有することさえ考えない方がいい」と言った話は有名ですね。
「長きにわたってその成長や発展を信じることができるもの」のみに大切なお金を預けるようにしましょう。

株価に左右されにくい資産運用
新しい投資の形として最近認知されつつあるのが、「貸付型クラウドファンディング」です。
お金を借りたい企業や個人とお金を貸したい投資家をネット上で結びつけるサービスで、投資家はお金を貸した企業や個人から利息を得られます。
また株価の動向に左右されにくいという特徴があるため、日々株価の値動きが気になって仕方がないという人も落ち着いて投資できるのではないでしょうか。

どうしても株価のアップダウンが気になる人は、株価の影響を受けにくくて少額投資が可能な貸付型クラウドファンディングも検討してみましょう。
まとめ
今回は資産運用における感情コントロールの大切さについて書きました。
人間は本能や感情に従って生きているため、完全に感情を排除するのはむずかしいですね。
それでも感情コントロールの「コツ」を知り、自分でできるだけ気持ちをコントロールをすることで長い間お金に働き続けてもらえる可能性が高くなります。
- 資産価格の変動を読めないため、自分軸を確立させておく必要がある。
- 資産運用を長期間継続させるため。
- 人間の「感情」によって「経済」が動くことを理解するため。
- お金や資産運用の知識を身につける。
- 資産価格が動くという感覚に慣れる。
- ラクにお金を稼ぐ道はないと心得る。
- 貯蓄を頑張る。
- 失敗しても大丈夫と気楽に考える。


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