月々の利用料金が定額になる「サブスクリプションサービス」がさまざまな業界に拡がりつつありますね。
定額払いであることで家計管理がしやすくなる点やサービスが使い放題であるというお得感が人気の原因みたいです。
サブスクリプションと聞くと映画やドラマの動画配信サービスを思い浮かべる人が多いと思いますが、近頃は車や家電用品もサブスクで利用する人が増えつつあります。
今回の記事では、前回の「車の維持費」に続いて家計管理がしやすくなる車のサブスクリプションサービスについて書いていきたいと思います。
車のサブスクリプションとは
サブスクリプションとは、毎月一定額を支払うことで商品を利用できるサービスのことです。
最近は月額定額で利用できるサブスクリプションサービスへの感心が高まっていますね。
以前なら所有することが当たり前だと思われていた車ですが、自動車業界でもサブスクサービスが徐々に拡大しつつあるようです。
特に車を所有すると、税金や保険料、車検代などがまとまった出費になります。
1年に1回、あるいは2年に1回など急に支出が増える月があると、何らかの事情で月収が減ったりボーナスが削減されたりすると急な支出に対応するのがむずかしくなることも考えられます。
その点税金や保険料(会社やプランによる)、車検代がコミコミで月額使用量に組み込まれる車のサブスクサービスなら、月々必要な車の維持費がほぼ一定額になるため家計の支出管理がしやすくなりますね。
- 車が欲しいけど、まとまったお金を用意するのがむずかしい人。(ローンで購入すると総支払い額が高くなります)
- 車検やメンテナンスなどを契約会社に任せたい人。
- 車の支出を毎月一定にしたい人。
- 下取りや買取りなどの手続きをせずに新しい車に乗り換えたい人。(契約満了時)
- 家族が増えたり子どもが独立したりと、ライフスタイルの変化に合わせて車を選びたい人。
- 法人名義で契約して経費処理をしたい人。(車を購入した場合は資産として計上しますが、サブスクの場合は使った分だけ「損金」として計上していく)
ユーザー層が拡大しつつある車のサブスクサービス。
5社のサブスクリプションサービスの特徴をみていきましょう。
KINTO ONE(キント・ワン)「トヨタ」
KINTO ONE(キント・ワン)はトヨタが2019年にスタートさせたサブスクリプションサービスです。
トヨタやレクサスの車に毎月定額で乗ることができます。
契約プランは3年・5年・7年から選ぶことができます。
特徴としては任意保険まで定額サービスの中にふくまれていることがあげられます。
保険料の比較や加入手続をしなくてもいいのはラクですね。
特に保険料が高くなる若年層にとってはメリットが大きくなります。
駐車場代(自宅に駐車場がない場合)とガソリン代は利用者が別途支払うことになりますが、ほぼすべての維持費が入った値段なので家計管理もしやすいですね。
KINTO ONEホームページのシミュレーション画面です。
今回は「アルファード」を選択してシミュレーションをしてみました。
いろんな車種でシミュレーションができるのでぜひ試してみてください。
今回は車種をアルファード、35歳以上で利用期間を5年に設定。
シミュレーション結果です。
KINTO ONEのサブスクを利用した場合、5年間の支払総額は4,111,800円でした。
現金一括払いで車を購入した場合は4,522,917円。
そして銀行の自動車ローンを利用した場合には5,100,846円。
ローンを組むといかに利息が高いかがわかりますね。
現金一括払いで購入した場合でも、KINTOのサブスク利用と比べると5年間で411,117円サブスクの方が安くなりました。
同じ車種で年齢を「26歳以上」に設定した場合、購入するよりKINTOのサブスク利用の方が5年間で565,117円安くなり、年齢を「50歳以上」でシミュレーションすると349,087円安くなりました。
保険料が高くなりがちな若年層がサブスクを利用すると、より費用を抑えられることがわかりますね。
KINTOのサブスクは保険料が高い若年層だけでなく高齢者ドライバーにもおすすめです。
あと何年車に乗れるかわからない状態で新しい車に乗り換えるより、月々定額で車に乗る方がお得になるケースもあります。
KINTOなら免許返納時は中途解約金がかからないのも安心ですね。
任意保険 | 専門保険あり(保険の契約者はKINTO) |
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月間走行距離制限 | 1,500km |
中途解約 | 中途解約OK(免許返納・海外転勤時などは解約金なし※3年プラン) |
車の乗り換え | 3年契約は1年半後・5年/7年契約は3年後以降に可能 |
契約満了時の原状回復 | 原状回復の基準が明確化されている(車の状態による査定減点清算) |
SOMPOで乗―る
SOMPOで乗ーる(そんぽでのーる)のサービス内容をみていきましょう。
契約期間はトヨタのKINTOと同じく3年・5年・7年から選べます。
特徴としては、カーシェアをすることで実質的に月額利用料を下げられる可能性がある点があげられます。
月額利用料からカーシェアによる受取金を引いた額が実質的な自己負担になる仕組み。
カーシェアをすることで利用料を下げられるなんて、画期的なプランですね。
車に乗らない時期や乗らない日があらかじめ決まっているとき、オーナーとして車をシェアすることで維持費を抑えられる選択肢があるのは大きなメリットだと思います。
SOMPOで乗ーる(そんぽでのーる)はネット上でもフリーダイヤル(0120-407-245)でも無料で見積り・相談ができます。
ネットからだと約1分で入力完了。
任意保険 | 任意保険の有無を選べる |
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月間走行距離制限 | 1,000km/1,500km/2,000km/3,000kmの中から選択可能 |
中途解約 | 原則解約不可(中途解約金が発生) |
車の乗り換え | 不可(中途解約金を支払って解約後に新たな契約を結ぶ必要あり) |
契約満了時の原状回復 | 精算が不要になる残価保証オプションあり ※PRTIMESの記事を参考にしてください |
定額カルモくん
安心、おトクなマイカーリース「マイカー賃貸カルモ」はナイル株式会社が運営しているカーリースサービス。
契約期間は最短1年~最長11年まで1年単位で設定可能で、新車と中古車から選べます。
メンテナンスプランとしては、プラチナ・ゴールド・シルバーの3種類から選べます。
特徴は「もらえるオプション」で契約期間が7年以上の場合に月々500円のオプション料金を追加することで、契約満了時に追加精算なしに車をそのままもらう選択ができます。
月々500円×12ヶ月×7年=42,000円
月々500円×12ヶ月×8年=48,000円
月々500円×12ヶ月×9年=54,000円
月々500円×12ヶ月×10年=60,000円
月々500円×12ヶ月×11年=66,000円
以上の金額をプラスすることで車をもらえるならお得だと考える人も多いでしょうね。
カーリースは車を返却するとき価値を下げないために走行距離制限が設けられていますが、車を返却する必要がなければ走行距離も気にせず好きなだけ乗ることができます。
愛着のある車に長年乗り続けられる上に原状回復をする必要がないため、自由にカスタマイズができる点もメリットです。
「もらえるオプション」の加入条件は、契約期間が7年以上で新車の全車種が対象。
契約期間終了後に途中加入はできないのでリース契約時に申し込む必要あり。
追加精算なしで車をもらえますが、名義変更などの事務手数料は自己負担になります。
安心、おトクなマイカーリース「マイカー賃貸カルモ」はネット上で車種を選んで料金のシミュレーションができます。
新車と中古車から選択可能。
車種を選んだあと、おすすめプランの「次のステップへ進む」をクリックすると写真のような画面が出てきました。
この後料金などを確認した上で「審査・商談に進む」ボタンを押すことで問い合わせができます。
書面の取り交わしをしてはじめて契約となるため、Web上での申し込みは無料です。
任意保険 | 含まれていない(現在加入中の任意保険等級引き継ぎは可能) |
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月間走行距離制限 | 1,500km(契約期間6年以下の場合)/制限なし(契約期間7年以上の場合) |
中途解約 | 原則解約不可(中途解約金が発生) |
車の乗り換え | 不可 |
契約満了時の原状回復 | 原状回復費用の保証プランあり |
定額ニコノリパック
定額ニコノリパックは株式会社MICが運営しているカーリースサービスです。
「サービスが充実している」「おすすめのカーリース会社」「価格が納得できる」の3部門で№1を獲得しています。
契約期間は原則5年間ですが(関東全域では1ヶ月から使用できる超短期のリースプランもあり)、3年~7年のプランを選ぶこともできます。
また契約終了時に車をもらえる「もらえるパック」は契約期間が9年間になります。
国内自動車メーカーの全車種から選べる豊富なラインナップが特徴。
また定額ニコノリパックの利用料が安い(新車にでも月々11,000円~利用可能)のは、利用者が大切に乗ることを前提に契約終了後の予測車両価格をあらかじめ値引きした価格で月額使用料が決められているためです。
- 近くに店舗がない場合、47都道府県どこへでも新車を届けてもらえる。
- 審査や契約もメール・電話・郵送でできるため自宅にいながら新車が届く。
- Webに掲載されているプラン以外のリースも可能。
- 決められたプランだけでなく、契約の条件をカスタマイズできる。
契約終了後に車がもらえる「もらえるパック」についてはPRTIMESの記事を参考にして下さい。
定額ニコノリパックはホームページ上で車種を選ぶと「もらえるパック」と「標準パック」の2パターンのシミュレーション結果が出てきます。
ネット上のシミュレーション結果は簡易的なものなので、詳しく知りたい場合は「お問い合わせ・見積依頼」をクリックすると必要事項を入力する画面へと進みます。
任意保険 | 含まれていない(現在加入中の任意保険等級引き継ぎは可能) |
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月間走行距離制限 | 1,000km |
中途解約 | 原則解約不可(中途解約金が発生) |
車の乗り換え | 不可(契約終了後に新たな車種で再契約可能) |
契約満了時の原状回復 | 契約満了時の選択により異なる |
カーシェアリングやレンタカーとのちがい
※おトクにマイカー 定額カルモくんより引用
カーシェアリングやレンタカーなどは「他人と共有している車」を利用することになります。
一方でサブスクであれば他人と共有するのではなく、「自分の車」として利用できます。
特に都市部は駐車場代が高いため、カーシェアリングやレンタカーを利用した方が安上がりに思えますね。
ただ使いたい時期が集中すると空きがなく、他人が使っている間は自分が使えないという不便さもあります。
またサブスクでは利用者が好きな車種を選べますが、カーシェアリングやレンタカーではあらかじめ会社が用意した車の中から選ぶことに。
レンタカーはガソリンを満タンにして返さなくてはいけませんし、カーシェアリングは返却予定時間を過ぎると超過料金を支払うことになるため、常に時間を意識して動かなければいけませんね。
旅行先の移動で単発的にレンタカーを利用する人は多いですが、繁忙期には予約する人が増えるため利用したい車種に空きがあるか確認する必要があります。
車に乗る機会は少ないけれど、1回あたりの乗車時間が長い場合にはレンタカーを使うのが便利です。
短時間の利用が多く、不特定多数の人との共同使用に抵抗がない人は自宅近くのカーステーションで利用できるカーシェアリングを検討してみてもいいかもしれませんね。
まとめ
今回は車に毎月定額で乗れるサブスクリプションサービスについてご紹介しました。
車のサブスクを利用した場合、車にかかる費用が毎月ほぼ一定額になるため家計管理がしやすくなるメリットがあります。
選ぶ車種やプランにもよりますが、実際に購入するより総合的に費用が抑えられるケースも。
会社によっては契約期間満了後にそのまま車をもらえるプランもありましたね。
会社によって取り扱っている車種やプラン内容はさまざまです。
車のサブスク利用を考えている人は、ぜひじっくりいろんな会社を比較検討してみてくださいね。
個人的には、子供の独立などライフスタイルの変化に合わせて臨機応変に乗る車を変えられる点がメリットだと思いました。
サブスクリプションサービスの拡大により、購入するのが当たり前だと思っていた物を買わずに利用できる時代になってきましたね。
「所有している状態」より「利用できる権利」に価値を見出す人が増えてきたのかもしれません。
車はとても便利なものですが、持っているだけでお金がかかるのも事実。
選ぶ車種や契約期間によっては購入するよりお得に利用できることもあるため、車を利用する際の選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょう。