みなさんは節約や家計管理を頑張って貯めたお金をどこに置いていますか?
「貯金から投資へ」のスローガンが最初に掲げられたのは約20年前の2001年のことでした。
ところが、今でも日本人の金融資産のうち半分以上を預貯金が占めています。
現金主義の日本人にとって「投資」は怖いもの、危ないものというイメージが依然として強いようですね。
https://yoshinonnon.net/monex-university-academy-recommended-for-us-equity-investment-beginners/
資産運用の初心者が本を読んで学ぶべき理由
今は活字を読まなくてもYouTubeなどからかんたんに有益な情報を得られる時代ですよね。
私も日々YouTubeを利用して資産運用に関する情報を収集しています。
YouTubeは最新の情報を得るのにぴったりのツールですね。
それでも資産運用の初心者さんにはあえて本を読んでお金の知識をみにつけることをおすすめします。
本で資産運用の勉強をするメリット1:先人の知恵を学べる
どんな種類の本にもいえることですが、本には今を生きる人だけでなく先人や故人の知識・経験が詰まっています。
先人たちの経験したことが書かれている本を読むことで、さまざまな成功談や失敗談から教訓を得られますよね。
資産運用に関しては新鮮な情報を収集することも大事ですが、まずは普遍的なお金の知識や資産運用の法則については良書を読んで学ぶことをおすすめします。
本で資産運用の勉強をするメリット2:信頼性の高い情報を得られる
本を読むことである程度資産運用についての知識をみにつければ、自分で情報の取捨選択ができるようになります。
ただ知識がゼロの状態でいきなりYouTubeなどの個人が発信している情報に触れると、本質が理解できていないため本当に有益な情報を見極めることがむずかしくなってしまうのです。
本は出版されて本屋さんに並ぶまでの間に多くの人が内容をチェックするため、それだけ信頼性の高い情報が詰まっていると考えられますね。
本で資産運用の勉強をするメリット3:知識量に応じて学べる
本のタイトルに「初心者向け」「ゼロからはじめる」といったキーワードがふくまれている場合は明らかに初心者向けの本であることがわかります。
一方で具体的な投資手法がタイトルにはいっていたり、本の著者が特定分野の投資の専門家だったりする場合は投資中級者~上級者向けの本だといえるでしょう。
どれだけ素晴らしい本でも読み進めることができないと意味がないですよね。
最初はマンガや豊富な図解でストレスなく学べる本から読み始めるのがおすすめです。
【読む順番にご紹介】資産運用の知識をみにつけるのにおすすめの本8冊
「おすすめの投資本」についてネットで調べていると、「厳選20冊」「厳選10冊」などみなさんたくさんの本を紹介されている様子。
「私は3冊に絞ってレビューを書こう!」と思って本棚にある投資本を選ぼうとしたのですが、結論3冊に絞るのは無理でした。
いざおすすめの投資本を選ぶとなると、「この1冊は外せないでしょう。」という本が何冊も出てくるのです。
みなさんが10冊、20冊とレビュー記事を書かれているのも納得。
というわけで、最初は誰もが初心者であるという前提に立って8冊の本をおすすめの読む順番に従ってご紹介します。
おすすめの投資本1冊目:漫画 バビロン大富豪の教え
原作はジョージ・S・クレイソンによって1920年代に書かれました。
100年以上も前に書かれた本が世界的なベストセラーとなっています。
ここ日本でも漫画化されて子どもから大人まで読める金融教育の本として大人気ですね。
投資について勉強するというより、時代によって変わることのない普遍的なお金の価値観や幸せの法則について学ぶことができる1冊です。
我が家の長男も大学生になったのでこちらの本をすすめてみたら一気に読破していました。
資産運用をはじめる前にお金の意義や価値観について学びたい人
古代バビロニアが舞台になっていて国も時代も現代の日本に生きる私たちとは共通点がないはずなのに、不思議と現代生活にもリンクしていてスッと心に染みこんでいく内容になっています。人間の本質って、いつの時代も変わらないものなのですね。そしてお金持ちになるためには、知恵や行動力だけでなく「人としての大きな器」が必要なのだと改めて感じました。今日からすぐにでも実践できる「お金と幸せを生み出す法則」が書かれているので、資産運用を始めるにあたり最初に読む1冊としておすすめです。資産運用については「全世界の成長に投資をしよう」と全世界投資をすすめています。私はこの本を読んで、全世界の成長に資金を投じるインデックス投資(市場の動き全体を示す指数と同じ値動きを目指して投資をする手法)に興味を持ちました。
おすすめの投資本2冊目:「お金の超基本」ビジュアル版
2冊目に読む本としておすすめしたいのが「お金の超基本」です。
これはもう、題名そのままの内容ですね。
今さら聞けないようなお金の機能から税金の仕組み、貯蓄方法までお金に関する基本的な知識がわかりやすくまとめられています。
「ビジュアル版」というだけあって、カラー図解が豊富なのでまずはお金の基本について学びたいと思っている人にピッタリの1冊です。
おかねの基本的な機能や税金の仕組みなどをカラー図解で学びたい人
中学校の義務教育のとりいれてもらいたい1冊だと思いました。お金について客観的に説明されている本で筆者の個人的な感想や考えなどが入っていないため、純粋にお金の知識だけを学べます。図解がたくさん入っていてビジュアルで理解できるように工夫されているので、頭の中でイメージしながらスイスイと読み進められます。さらにチャプターごとに細かく内容がわかれているため、自分が知りたいページだけや重点的に学びたいところだけをくり返して読むこともできますよ。
おすすめの投資本3冊目:「資産運用見るだけノート」
1冊丸ごと資産運用に関して書かれた本です。
タイトルに「見るだけノート」とあるように、活字より絵や図解の面積の方が広くスムーズに頭に入ってきます。
「おすすめの投資本2冊目」でご紹介した「お金の超基本」よりは若干著者の意見が入っている分、面白みのある1冊になっています。
資産運用について、絵や図解で理解しながら勉強したい人
お金の基礎知識をみにつけたら、そろそろ資産運用について学んでいきたいですね。とはいえいきなり活字だらけの分厚い本を読もうとするとハードルが高くて挫折の原因になってしまいます。その点「資産運用見るだけノート」なら資産運用の必要性やグローバルな視点で物事をみる必要性など、多岐にわたる内容について図解を中心にわかりやすくまとめられています。さらにチャプターごとにはさまれている筆者のコラムも面白いですよ。資産運用に関する筆者の個人的な考えが述べられていて、ときおり辛辣な意見も。説明部分は客観的な内容になっていますが、時々コラムという形で筆者の考えなどが入っているため単なる説明文にとどまらず読者を飽きさせません。最後のコラムに入っていた「究極の資産の運用とは、あなた自身の力を伸ばすことです」という一文がお気に入りです。
おすすめの投資本4冊目:FACT FULNESS(ファクトフルネス)
「FACT FULNESS(ファクトフルネス)って投資の本じゃないよね?」と思われた方もいるでしょうが、「全世界の成長に投資をする」スタンスをとる限りぜひ読んでおきたい1冊です。
人間の本能について言及
「FACT FULNESS(ファクトフルネス)」は世界がどのように成長しているのか、といった内容だけでなく投資を成功させる上で時に邪魔になる「直線本能」など人間の本能についても言及されています。
「このまま株価が上がり続けるにちがいない」と思い込んで大金を投じた直後に株価が暴落するケースや、「このまま株価が下がり続けるにちがいない」との恐怖心から株を売ったらその後から株価が上昇するケースはよくありますよね。
資産運用をする中では時に「本能と反対」の方向に進まなければ成功できないこともあります。
「世界の成長」や「人間の本能」など、投資をする上で必要な知識や考えを学べる1冊ですよ。
全世界がどのように成長しつつあるのかを学びながら、投資に関係する人間の本能についても知りたい人
一見したところ資産運用とは関係がない本に思える上、「書かれている内容のスケールが大きそうでとっつきにくい」イメージがあるかもしれませんね。ところが、意外にも冒頭からクイズ問題が入っていて引き込まれるようにして読み進められました。人間というのはいかに「思い込み」に支配されている生き物であるかがわかります。思い込みではなく客観的なデータに基づいて見ることで正しく世界を認識できるようになり、ネガティブな思考から脱することができるのだと教えてくれます。ビジネスや投資にも生かすことができる考え方を学べるため、資産運用を始めるに際してぜひ読んでおきたい1冊ですよ。
おすすめの投資本5冊目:ウォール街のランダム・ウォーカー
本書の初版は1973年に出版され、45年以上経った今でも読まれている名著です。
「ランダム・ウォーク」とは、お酒を飲んで酔った人が千鳥足で歩く様子を表しています。株価の値動きはまさにランダム・ウォークのように先が読めないため、プロの分析などは意味がなく市場平均と同じリターンを得られる「インデックス投資」が最強である、と提唱しています。
まさに「株式投資の不滅の真理」ですね。
図解などビジュアルで理解できるような資産運用の本を読んだ後は「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読んで「インデックス投資」の素晴らしさについて学ぶことをおすすめします。
株価を先読みすることのむずかしさと、インデックス投資の素晴らしさについて学びたい人
文字が小さい上に500ページ以上もあるためかなり読み応えのある本ですが、証券口座を開設する前に読んでおいて本当によかったと思っています。「負けない投資手法として市場全体に連動するインデックス投資がいい」という話はあちらこちらで聞きますが、なぜインデックス投資がベストなのかこの1冊だけでしっかり理解できますよ。特に資産運用の初心者にとっては「大きく勝つ」ことよりも「負けない」ことの方が大事です。「長期」で運用することの大切さも学べるため、頑張って節約して貯めたお金を長期運用することでしっかり育てていきたいと思えますよ。
おすすめの投資本6冊目:株式投資の未来
「株式投資の未来」はジェレミー・シーゲル著で「赤本」ともよばれています。
株式投資の初心者から上級者まで、あらゆる投資家を対象としていて「ウォール街のランダム・ウォーカー」の次に読むことをおすすめします。
投資の対象は株式
こちらでも長期投資をおすすめしていて、長期で運用する場合は株式のリターンがいちばん高いため株式中心に投資をすればいい、と書かれています。
株式中心でいいかどうかは年齢にもよりますが、少なくても過去をふり返ると債券などではなく株式のリターンがいちばん高いようですね。
株式投資の素晴らしさや高配当株の配当金を再投資することで得られるリターンについて学びたい人
300ページくらいの本なので「ウォール街のランダム・ウォーカー」よりはページ数が少なくなっていますが、内容的には「株式投資の未来」の方が少しむずかしいかな、と思います。かんたんにまとめると、お買い得な「高配当株」を買い続けて配当金を再投資することで結果的に資産を増大させる手法をすすめています。「ウォール街のランダム・ウォーカー」「株式投資の未来」の2冊で基本的な株式投資の手法を学ぶことができるため、可能なら2冊とも読むことをおすすめします。次にご紹介する「バカでも稼げる 米国株高配当投資」の著者であるバフェット太郎さんも「株式投資の未来」を50回以上読んだそうですよ。
おすすめの投資本7冊目:バカでも稼げる「米国株」高配当投資
著者は米国株投資家YouTuberとしても有名なバフェット太郎さん。
米国個別株投資を行い、配当金を再投資することで資産を増大させていく手法について書かれた本です。
なぜ7冊目に読む本として選んだのか
今回ご紹介した本の中で最も短時間で読めるのではないかと思うくらい、とても読みやすい本です。
「読みやすさ」だけに着目するともっと最初に読む本としてあげてもよさそうですが、バフェット太郎さん独自の視点で書かれた内容であるため7冊目に読む本としてご紹介しました。
米国株投資に興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
基本的な投資の知識を身につけた上で米国株投資をしようと考えている人
毒舌で煽り言葉の多いバフェット太郎さんですが、説得力のある内容になっています。ただ10社ほど個別株を買って配当金を再投資し続けるのは、かんたんなように思えて実際は難易度が高いと思われます。表紙がマンガになっていてあっという間に読めるため初心者でも手に取りやすい1冊ですが、多少時間がかかっても「ウォール街のランダム・ウォーカー」「株式投資の未来」の2冊を読み終えてからこちらの本を読んだ方がいいと思います。自分のリスク許容度がわかっていない状態でバフェット太郎さんの投資手法をそのまま真似することはおすすめできません。ある程度投資経験を積んでから投資手法の一部を真似するなど、自分なりにアレンジしてとり入れることができればいいですね。
おすすめの投資本8冊目:本気でFIREをめざす人のための資産形成入門
著者は「三菱サラリーマン」とよばれている穂高唯希さんです。
収入の8割で高配当株を中心とした資産を購入し、30歳でセミリタイアを実現されました。
支出の最適化が大事
通常よりは高収入だったようですが、それでも徹底的に支出を抑えることで余剰金を生み出し、資産を買うことに専念されたようです。
やはり経済的な自由を叶えるためには「支出の最適化」は欠かせないのですね。
FIREまでは目指していないよ、という場合でも少しでも経済的な自由に近づきたいと考えている人なら必読の1冊ですよ。
余談ですが、この本だけ本棚のどこを探しても見つからないのでAmazonから画像を引用しました。
断捨離好きの主人が自分の本を売るときに間違えていっしょに売ってしまったようです。
大切な投資本のバイブルだったのに・・・。
利回りのよい米国高配当ETFへの投資を検討している人やセミリタイア生活に興味がある人
「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門」を読むまではインデックス投資のみで資産運用するつもりでいましたが、この本から感銘を受けて運用資産の3割~4割を定期的に配当金が入ってくる「高配当株」に投資することに決めました。投資スタンスもさることながら、節約術は誰にとっても参考になると思います。「ジム通いをせずに常に階段を利用する」とか、自分も同じことをしているので思わず笑ってしまいました。「収入の8割で高配当株などの資産を購入する」というのは一種狂気じみた世界観と思われますが、どんな分野でも成功者には「ブレない軸」と「やり抜く力」が備わっているものだと感心させられます。
我が家の資産運用状況
あくまでも含み益なので確定された利益ではありませんが、今のところ含み益が1000万円程度出ています。(積み立てNISAの利益も含む)
たまたま投資をスタートした時期がよかったこともありますが、知識ゼロの状態で勉強することから始めて利益を出せているため、じっくり本を読むことに時間を割いて正解だったと確信しています。
何を成し遂げるにも近道はありません。
効率よく成功しているように見える人ほど陰で人の何倍も勉強しているものです。
投資は大事なお金を動かす行為ですから事前準備としてしっかり本を読んで勉強してからスタートさせましょう。
準備体操をせず大海原に飛び込んでうまく泳げる人なんていませんからね。
まとめ
- 漫画 バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則
- 節約・貯蓄・投資の前に今さら聞けない「お金の超基本」ビジュアル版
- ゼロからはじめて一生損しない!「資産運用見るだけノート」
- FACT FULNESS(ファクトフルネス)
- ウォール街のランダム・ウォーカー~株式投資の不滅の真理~
- 株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす~
- バカでも稼げる「米国株」高配当投資
- 本気でFIREをめざす人のための資産形成入門
今回は資産運用をするにあたってぜひ読んだ方がいいと思われる8冊の本をおすすめの読む順番に従ってご紹介しました。
低金利の今の時代に資産形成をするには投資の知識は必須です。
資産運用は本を読んで勉強したからといってうまくいくとは限りませんが、勉強せずに始めると成功する確率はもっと下がってしまいます。
特に情報過多の現代においては自分で情報の取捨選択をする必要がありますよね。
もちろんラクに得られる情報にも有益なものはたくさんありますが、多少時間がかかっても最初はあえて本を読んで勉強することをおすすめします。
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