奈良県出身→早大法学部卒→弁護士秘書→結婚して4人の子供を出産。
美容&健康オタク。
マクロビオティックセラピスト・薬膳インストラクター・メディカルアロマインストラクターの資格を保有。
どうぞよろしくお願いいたします。
前回の「玄米コーヒー」に引き続き、今日の記事でも玄米を使った身体にやさしい飲み物を紹介したいと思います。
「玄米甘酒」とは名前の通り玄米で作った甘酒のことで、原材料は玄米と米麹の2種類でお米を米麹で発酵させることで作られています。
寒い時期には温めて、また暑い季節には冷やして飲んでも美味しくホットでもアイスでも楽しめる飲み物です。
日本書紀に甘酒と思われる記述があったり、平安時代には甘酒が夏場の暑気払いの栄養補給飲料として飲まれていたようです。
「発酵大国」といわれている日本に生まれ育った私たちにとって、甘酒は日本の伝統的な天然由来の甘味飲料ともいえるでしょう。
名前には「酒」の文字が入っていますがアルコールは含まれていないため、妊娠中の方やお酒に弱い人、お子さんやお年を召した方まで家族全員で安心して飲むことができます。
(※酒粕で作られた酒粕甘酒にはアルコール分がふくまれています)
玄米甘酒の栄養分と効能
「甘酒」はその栄養価の高さから「飲む点滴」や「飲む美容液」といわれていますが、通常の白米を使用したものより玄米を使って作った甘酒の方がより栄養分がたっぷり含まれています。
また海外でも甘酒の栄養分が注目されていて、甘酒のことを「ジャパニーズヨーグルト」とよぶそうです。
★ブドウ糖
甘酒の成分の約20%が「ブドウ糖」です。
玄米甘酒がお砂糖を入れなくてもほんのりと甘いのは、麹が保温しながらゆっくりと発酵する過程でお米のデンプンを分解してブドウ糖に変化させるためです。
このブドウ糖により満腹中枢が刺激されるため、少しの量でも満足感を得ることができ、ダイエット中にも甘酒を上手にとりいれることで食べすぎの予防につながります。
★食物繊維
玄米は精米した白米と違い、「胚芽」や「糠(ぬか)」が残っている状態なので人間の健康維持に必要な食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
大腸までしっかり届いて腸内のバランスを整えてくれることから、食物繊維は今では炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルに次ぐ「第六の栄養素」として私たちの健康維持に欠かせないものといわれています。
玄米に含まれる豊富な食物繊維は腸内環境を整えてくれるため、便秘が解消されることによるデトックス効果が期待できます。
また主食として玄米を食べる場合と違い、甘酒だと玄米がペースト状になっていて消化しやすい状態になっています。
そのためしっかり噛むことが難しい年齢の方や、食欲のない夏バテ時などにも簡単に栄養補給ができるでしょう。
麹が発酵することによって腸内の善玉菌を増加させる作用も期待できるため、豊富な食物繊維と善玉菌のダブル効果で腸内環境が改善されると考えられています。
★ビタミン類
玄米甘酒にはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、パントテン酸、イノシトール、ビオチン、などの各種のビタミンが豊富に含まれています。
ビタミンB群は糖質・脂質・タンパク質の代謝に関わっていて、私たちの生命活動に必要なエネルギーを生み出すのに欠かせない栄養素です。
このビタミンB群はブドウ糖をエネルギーに変える働きがあります。
甘酒の中にはブドウ糖とこのブドウ糖をエネルギーに変えるこのビタミンB群の両方が含まれていることから、甘酒を飲むことで効率的にすばやくエネルギーを生み出すことができるのです。
「パントテン酸」は「どこにでも存在する酸」という意味で命名された名前で、肉類、魚介類、卵などに多く含まれています。
糖質・脂質・タンパク質の代謝とエネルギーを生み出すのに必要な酵素の働きを助ける作用があるといわれています。
「イノシトール」はビタミンに近い働きをする成分で主に穀物や果物などに含まれていて、体内でもブドウ糖から合成されることが分かっています。
イノシトールは別名「抗脂肪肝ビタミン」ともいわれていて、脂肪肝などの生活習慣病の予防に効果があると考えられています。
また髪を健康な状態に保ったり、脳や神経の働きにも作用しているといわれています。
「ビオチン」は日本ではあまりなじみのない栄養素ですが、頭皮や髪を健やかに保つためのサプリメントなどによく使用されています。
体内では糖・脂質・アミノ酸の代謝に関わっていて皮膚や粘膜の健康状態に影響を与える栄養素だと考えられています。
不足すると皮膚のトラブルの原因になったり、アトピー性皮膚炎の発症にも関係しているとの報告もあります。
★必須アミノ酸9種類
私たちの身体の約20%はタンパク質でできていて、筋肉や内臓、髪や皮膚などの身体の組織を構成しています。
アミノ酸とはタンパク質を構成する成分のことで、人間の身体は約20種類のアミノ酸で作られていますが、このうちの9種類は体内で作り出すことができない「必須アミノ酸」とされていて食事から摂取する必要があります。
残りの11種類は体内で合成することが可能で「非必須アミノ酸」と呼ばれています。
玄米甘酒には9種類の必須アミノ酸であるリジン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、スレオニン、トリプトファン、ヒスチジンがすべて含まれています。
必須アミノ酸はタンパク質から生み出されるため、本来は肉類、魚介類、豆類や卵など様々な食材を食べることで摂取できますが、玄米甘酒はこれひとつで9種類すべての必須アミノ酸が含まれているのです。
玄米甘酒を飲むことで、一度に必須アミノ酸をとりいれることができるのはうれしいですね。
★コウジ酸
玄米甘酒の原料である「麹」が発酵する過程では「コウジ酸」が生み出されます。
コウジ酸は1907年に日本で発見された後研究が進められ、1988年には厚生労働省によって「美白成分」として認められています。
コウジ酸はシミやそばかすの原因となるメラニンを作り出す酵素(チロシナーゼ)を抑える働きがあるとされ、その美容成分が注目されて美白化粧品に多くとりいれられています。
麹を扱ってお酒・味噌・醤油などを作る職人さんたちの手が白くてきれいだといわれていることは有名ですね。
またシミやそばかすの予防だけではなく、年齢を重ねるとともに肌が黄色くくすみがちになる「黄ぐすみ」にも効果があることがわかっているようです。
黄ぐすみは体内のタンパク質と食事から摂取した「糖分」が結びついて起こる「糖化」が原因だとされています。
糖化の際に作られる黄褐色の物質「AGEs(エージーイーズ)」が加齢とともに蓄積されることが肌が黄色くくすむ原因だといわれていますが、コウジ酸にはこのAGEs(エージーイーズ)の生成を抑える効果があることも分かっています。
以上のように、玄米甘酒は女性にとって嬉しい美容成分がたっぷり。
ぜひ玄米甘酒を日常にとりいれることで、身体の内側からの美白を目指したいですね。
玄米甘酒のデメリットは?
栄養豊富な玄米甘酒にもデメリットはあるのでしょうか。
- 100gあたり100kcal前後と決して低カロリーではない。
- 美味しいからといって飲みすぎるとカロリーのとりすぎで太ってしまう原因になる。
- 甘酒に含まれる「ブドウ糖」はすばやくエネルギーに変わる一方で、飲みすぎると急激に血糖値が上がる。
- 血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンが膵臓から分泌されますが、インスリンには血中の余分な糖分を脂肪に変えて体内にためこむ働きがあるため、インスリンの過剰分泌は体脂肪を増やすことにつながる。
一方で玄米甘酒は少量でも腹持ちが良く、1日あたり100g~200g程度を少しずつ複数回に分けて飲むことで自然とドカ食いを予防することができるため上手にとりいれるとダイエットにも効果的です。
玄米甘酒 飲み方アレンジ
①玄米甘酒+豆乳
玄米甘酒と豆乳をまぜるのは私の一番のお気に入りの飲み方です。
玄米甘酒と豆乳を1:1くらいの割合でまぜて飲んでいますが、豆乳をまぜることでまろやかになってとても飲みやすくなります。
また玄米甘酒に含まれる栄養に加えて大豆の栄養分も同時に摂ることができるのがうれしいですよね。
②①+抹茶パウダー
①の玄米甘酒と豆乳に抹茶パウダーを混ぜます。
普通にマドラーなどで混ぜるだけではしっかり混ざりにくいため、タッパなどに入れて振って混ぜるといいと思います。
玄米甘酒は日本で生まれた飲み物なので、抹茶との相性も良くいかにも「和風」テイストの味わいになります。
③①+ココアパウダー
①の玄米甘酒と豆乳にココアパウダーを混ぜたものです。
ココアパウダーは冷たいままでは混ざらないため、電子レンジなどで温めてから混ぜるようにしましょう。
玄米甘酒そのものが甘いため、砂糖を入れずにココア風味の飲み物を楽しめます。
ココアの主成分であるカカオには豊富なカカオポリフェノールが含まれているため、抗酸化作用や血流促進作用などの健康効果も期待できるでしょう。
④玄米甘酒+ヨーグルト
玄米甘酒とヨーグルトを混ぜ合わせると、発酵食品+発酵食品の組み合わせになります。
ヨーグルトを加えることでタンパク質とカルシウムを補うことができます。
ヨーグルトの割合を多めにするとトロっとした食感になり、玄米甘酒を多めにするとサラサラしたドリンクとして楽しめます。
他にもきな粉やしょうがのすりおろしを加えたり、野菜ジュースを混ぜたりと色々試してみてお気に入りの飲み方を見つけるのも楽しいですね。
おすすめ玄米甘酒3選